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執筆者の写真代表 しがNPOセンター

【報告】災害支援市民ネットワークしが第4回研究会

 災害支援市民ネットワークしが第4回研究会を12月10日に開催しました。講師はNPO法人さくらネットの石井布紀子さんで、テーマは「コロナ対策から災害支援を考える」です。


 石井さんには第1回目の研究会で、昨年の「東日本台風災害」の時の長野の協働の取り組みをお話し頂いたのですが、コロナ渦中の災害支援については、「One Nagano」のような協働のベースの上にしか成り立たないことを改めて感じさせられました。


 「令和2年7月豪雨」が襲ったある市で、ボランティアを依頼するかのアンケートをとったら、多くの人が「コロナを持ち込まれるのが怖い」との意見で、ボランティアを断り復旧が遅れたという例を聞きました。夏場の家屋は復旧を急がなければ、黴や病原菌を繁殖させることになります。特に最近の家屋は、フローリングで床面が出しにくい・壁の断熱材が大量に吸水するといった水への弱点があります。加えてボランティアを家に入れることへの抵抗が大きいのですから、コロナ渦中の災害支援には予想されている避難所対応のみならず、さまざまな問題が発生しそうです。



 長野では衛生管理の重要性や早急な復旧のために地域の人(自治会長や民生委員など)がボランティアへの依頼を説得して回ったそうで、「コミュニティマッチング」がうまく動いたということです。今までの災害ボランティアセンターでは一緒に泥かきをしながら生活の困り事などの話も聞き、専門家や他のボランティアにつなぐことをやってきましたがこれがコロナでどう変わるかが問題です。


 ポイントは地域・災害ボラセン・行政・企業がどう協働するのかです。身近なコロナ差別で行き過ぎた行動も多い中、避難所運営にも難しいものがあります。避難所においての感染対策の注意事項はすでに行政などから出されていますが、それ以外の問題も含めて協働で「避難所対応マニュアル」づくりができないか。


 久留米市ではオンラインのフォームでボランティアの申し込みを行ったそうです。連絡先もわかるので同時に受付もできます。はじめ、時間指定して集合してもらったら、みんなが早く来すぎて密になってしまった。そこで集合場所を変えたら、時間は同じでも場所が違うのでうまくいったようです。ITも使えそうです。



 研究会の後半では、グループに分かれて滋賀の現状を具体的に出し合いました。避難時の課題、避難所の課題、個別の支援についての課題、マイノリティ支援の課題、コロナ以前の問題もたくさん出されました。時間が短かったので十分な答えはでませんでしたが、どこにどんな課題が発生しそうかということは理解できたので、参加者が各地域に戻った時に、周囲と協力することで対応できるでしょう。


 支援においては、ボランティアが活動することによる感染拡大の不安で地域の人が躊躇する影響を考慮し、個別ニーズ把握から調整を行う個別マッチングと、地域関係者と共に小地域ごとにニーズ把握・調整を行う「コミュニティマッチング」を並行することで、一人も取り残さない支援ができる、とのまとめでした。


*この事業は、「近畿ろうきんNPOパートナーシップ制度」の協力で実施しています。

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