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持続化給付金から見える政策の動かし方

          しがNPOセンター


                     代表理事 阿部 圭宏

新型コロナ感染症に関連して、様々な給付金・補助金等が支給されている。国の制度は省庁別になっているため、縦割り構造が見える。雇用調整助成金はハローワーク、特定定額給付金は自治体という顔の見える申請先となっている。定額給付金の取扱いは自治体によって異なるため、支給スピードに違いが出ているが、問い合わせには多くの自治体が真摯に答えている。


↑ 大津市 日赤病院と京阪上栄町駅の間にある「犬塚のケヤキ」


速やかに支給されるように制度設計するのは、政府の責任になるが、オンライン申請ができるとはいえ、申請者の居住地に近いところで申請できるほうが当然のことながらふさわしい。


このような中で、問題とされているのが経済産業省所管の持続化給付金である。個人の生活維持も大変だが、事業者にとっては、売り上げの減少、休業等による影響は多大であり、たとえわずかでも給付金が速やかに支給されるべきものと期待されている。


持続化給付金の事務は、一般社団法人サービスデザイン協議会に769億円で委託され、5月1日から給付金の受け付けを開始したが、実は、749億円で電通に再委託されていた。電通からは、パソナやトランスコスモスなどの協議会設立に関与した企業に外注され、国会でも問題になっている。


このような構図はまさに火事場泥棒である。深く省庁に入り込み、自分たちに随意契約に近い形で発注させ、巨額の利益を得る。


↑ 大津市 大津駅から大通り、そして琵琶湖を望む


ここで疑問に思うのは、国の事業の発注形態である。通常は自治体を通じて行うものが圧倒的に多く、今回の場合も特定定額給付金は自治体が担当している。自治体が無理だとしても、経済産業省であれば、ブロックごとに経済産業局があるし、事業者対象とするものであるので地域の商工会議所や商工会に事務を委託することものできるはずである。 

地域に事業委託することで雇用が生まれるし、地域経済の落ち込みに対する対策にもなる。商工会議所や商工会は地域事情にも明るいし、そうした方法は考えなかったのか。経済産業省には「税金」で運営されているという発想がないのかもしれない。


今の政権が経済産業省主導で運営されてきたツケが一気に吹き出しているとしか思えない。一部の人たちだけが得をするようなことのないようにしてほしいとつくづく思う。

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