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温室効果ガス排出実質ゼロは達成されるのか

執筆者の写真: 代表 しがNPOセンター代表 しがNPOセンター

        しがNPOセンター

                     代表理事 阿部 圭宏


 管政権になり、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロとする目標を所信表明演説で示した。しかも、先月開催のG20サミットでも同様の発言をし、国際公約とした形になっている。これまで日本は脱炭素に向かわないと批判されてきたことから、今回の表明はやっとスタート地点に並んだという点で、とりあえずは評価できるだろう。


 日本の温室効果ガスの9割以上が化石燃料の燃焼による二酸化炭素だという。となれば、脱化石燃料により排出ゼロ目標へのハードルはグッと下がる。そのために、まず取り組まなければならないのが再生可能エネルギーの利用促進である。日本では、再生可能エネルギーとして、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが掲げられていて、これらを複合的に組み合わせて、使用率を高めていく必要がある。



 とはいうものの、現実を見るとなかなか厳しい。では、どのように温室効果ガス排出をゼロにするのか。首相の国会答弁では、徹底した省エネと再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減するというものであったが、同時に、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していくという発言もしていることから、原発を活用していく必要があるとの考え方を示したものと捉えられている。



 しかし、安易に原発に依存していこうとする姿勢は許せない。最近でも、女川原発2号機の再稼働に宮城県知事が地元同意を表明したり、高浜町議会が運転から40年を超える高浜原発1、2号機の再稼働の地元同意を表明するなど、目先のことしか考えない自治体、政府、電力会社の姿勢が表れていて、温室効果ガス排出削減を錦の御旗にして原発推進に向かうことには、国民あげて反対していく必要がある。


 化石燃料、原発に頼らない、再生可能エネルギーのさらなる推進のために、政府はあらゆる政策を動員していく必要がある。国民も排出ゼロに向けての覚悟を持つ必要がある。


(写真も筆者撮影・撮影場所は大津市役所付近)

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