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経済至上主義に代わるものは

  • 執筆者の写真: 代表 しがNPOセンター
    代表 しがNPOセンター
  • 2021年12月1日
  • 読了時間: 2分

           しがNPOセンター



                     代表理事 阿部 圭宏


 前回のコラムで、「失われた30年というもはや先進国とは言えない状況に陥っていることへの対応は全く見えない。このまま行けば、国自体が存在しなくなる可能性もある」ということを指摘したが、これまでの経済を中心に置いた国の運営は根本から見直す必要があるのではないだろうか。


 この国は、第一に経済ということばかりが強調され、あまりに人を大切にしない。過剰に自己責任を押し付けられ、社会がそれをよしとする傾向があるように思う。例えば、生活保護の捕捉率(生活保護を利用する資格がある人のうち、実際に利用している人の割合)は2割程度と、欧米諸国と比較しても極端に低い。


 生活保護が憲法第25条に規定する生存権に基づいて「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するための制度とされているにも関わらず捕捉率が低いのは、生活保護を受けることが恥ずかしいとか、制度へのネガティブな考え方が広がっているからかもしれない。


 今の生活保護の仕組みでは、文化的な生活を送れるとは思われないが、だからと言って、文化は余力、生活に余裕があってしか語ることができないものなのか。そもそも、日本には文化というものに対して価値を置かない社会構造があるのではないのか。文化を育むには、それを受け入れる仕組みが必要である。古い町並み、伝統芸能、文化財などの保存に反対する人は少ないだろう。しかし、古い町並みや家屋を保存するのは並大抵ではない。実際、多くの町並みが壊されているのが現実だ。そこには、文化よりも経済を優先する風潮があるからだ。



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大津市 長等公園にて 筆者撮影


 「24時間働けますか」などというバカげたCMに踊らされたバブル時代に戻るのではなく、誰もが人生を楽しめるような社会づくりが必要だ。大学でも一般教養を捨てて実学に偏った教育を行うということが本当によいことなのかももう一度問い直す必要がある。企業も自社での研修を行う余裕がなくなっているという話も聞く。日本の教育費の水準は低く、奨学金という名の教育ローンに追い立てられている若者も多い。


 若い人たちにこの国の未来を任すには、そのために必要な教育への様々な配慮が必要だ。政治家は何かと教育に立ち入りたがるが、そうした管理教育ではなく、少人数学級の実現、教員の加配といったベーシックなことから、シチズンシップ教育の実施など、教育に予算を投入していくしかないと思う。


 





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