2022年の新春を迎えました。今年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
しがNPOセンター
代表理事 阿部 圭宏
しがNPOセンターでは、毎月第3月曜日(変更の場合もあり)に「新書de読書会」を開催している。昨年12月で62回の開催となり、5年以上続いている。もともとのきっかけは、会員向けの事業をほぼ行ってきていなかったので、筆者の趣味を兼ねて、会員や会員外の方が気軽に参加できるものとして始めたものだ。
開催ルールは、いたってシンプルだ。課題本は2、3か月前に告知し、参加者は課題本を持参すれば読み切っていなくても構わない。本は必ずしも購入する必要はなく、図書館で借りてもよい。筆者が課題本を選定し進行することが多いが、参加者が選定して進める場合ももちろんあり、筆者が読まない分野の本もあって楽しい。本には人それぞれの読み方があり、参加者からのいろんな発言による気づきも多い。
(滋賀県長浜市 湖岸からの竹生島 1月6日筆者撮影)
そもそも、なぜ新書に限定しているのか。単行本だと値段が高いものがあって参加のハードルが高いし、文庫本は単行本の文庫化も多く、筆者のように老眼だと非常に読みづらいので避けたいのが本音だ。小説は多様な読み方ができるので、1冊を2時間足らずの時間で終えるのは難しい気がする。その点、新書は200ページぐらいの書き下ろしのものが多く、内容もその分野の基礎的な内容で取っ付きやすい。
出版不況と言いながらも新書の刊行数は非常に増えていて、粗製乱造という批判もある。書き下ろし、語り下ろしだけでなく、対談本が増えているのも最近の特徴ではないかと思う。対談本を買って失敗したケースも結構あるが、中には入門編としては有意義な対談本もある。
書店へ行くと、新書の新刊コーナーだけでもかなりの数が並んでいる。タイトルを見て面白そうだと買って読んでがっかりすることもある。読書会の課題本もまだ読んでいない段階で候補に挙げて失敗したケースもある。発刊点数は多いが、売れないと重版されないので、入手できないこともある。新書には丸山真男「日本の思想」や梅棹忠夫「知的生産の技術」(いずれも岩波新書)のように長年読み継がれてきた名著も多い。
本離れが進んでいると言われているが、時間を見つけて本を読みたい。書店へ行って自分で本を手に取り、ぜひ、新書に挑戦してほしいと思う。
(滋賀県長浜市 湖岸からの竹生島 1月6日筆者撮影)
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