top of page
  • 執筆者の写真代表 しがNPOセンター

⑫レポート「専門的アウトリーチおよび『居場所』と『出番』を重視した場づくりの連携による支援事業」

更新日:2月15日


●実施団体名:一般社団法人 Atlas 栗東事業部

●取り組み:集い場「虹」

●対象:栗東市内在住の子ども、30代までの若者

●料金:無料

●開催場所:コミュニティセンター大宝東(ウイングプラザ3階)滋賀県栗東市綣2-4-5

●開催日と時間:毎月第2、第4金曜日 11:00-15:00

●取組みについて知りたい場合の問合せ先:電話 090-9286-5671(担当:岩見)

                    メール flat.ritto@gmail.com

●アクセス:公共交通ーJRびわこ線栗東駅下車  東口から歩道橋で徒歩3分

      自家用車ーウイングプラザ併設の立体駐車場あり






レポート:ここから始まる。つながりつづける。―子どもと若者の集い場「虹」@栗東市―


JR栗東駅東口を出るとすぐ目に入るウィングプラザ。その3階で開かれているのが集い場「虹」。小学生から30代までの若者の居場所です。





会場の和室を訪ねると、責任者の岩見行浩さんと若い男性スタッフが出迎えてくださいました。部屋の奥にはテレビゲームがプロジェクタで映し出されています。真ん中にある座卓の横には、いろんな種類のカードゲームやボードゲームも。壁沿いはお菓子やお茶も置かれていて、くつろげる雰囲気です。





(写真提供:一般社団法人Atlas)


11時の開始時刻になっても利用者さんが来られませんでしたので、岩見さんにお話を伺いました。


岩見さんは元学校教員。中途退職して社会福祉士となられ、スクールソーシャルワーカー(SSW)として学校で課題を抱える子たちのサポートに携わってこられました。その中で感じられた大きな課題が、子どもが中学校を卒業するとスクールソーシャルワーカーとしては応援ができなくなってしまう、ということでした。


実際に、中学校まで担当されていた子が高校で不登校になったことを知った岩見さん。その子のためにと、2019年に「こども・若者立ち寄りステーション ふらっとRitto」をコミセン治田東で開始されました。スクールソーシャルワーカーとしてのお仕事が終わったあと、夕方17時から19時まで月2回の開所を続けてこられました。それから約5年。1人からはじまった事業も、いま、15人ほどが来られているそうです。一般社団法人Atlasの事業として栗東市から委託も受けられるようになり、継続もできるようになりました。


しかし栗東市全体で見ると、不登校となった子たちの受け皿はまだ十分とはいえませんし、治田東は市内のどこからでも来やすいところでもありません。そこで交通の便のよい栗東駅近くで、日中に開いている居場所を作られることにされました。それがこの集い場「虹」です。スクールソーシャルワーカーもお辞めになりました。





(写真提供:一般社団法人Atlas)


この場を訪れた子どもと若者たちは、ゲームをしたり、ご飯やお菓子を一緒につくったりしながら関係を育んでいくそうです。気楽な関係の中で、過去のつらい経験や、人を苦手に感じたりする気持ちから、少しずつ開放されていくようです。


実際に私も、若いスタッフの彼とテレビゲームをしたり、トランプで大富豪をしたりして、少し打ち解けあうことができました。

彼自身も、学校に行けなかった経験を持っていて、岩見さんの応援も受けてこられた一人とのこと。岩見さんは自身の活動を通じて、自分が応援してきた若者たちの出番や仕事をつくっていくことにも取り組まれています。





(写真提供:一般社団法人Atlas)


一般社団法人Atlasのみなさんの願いは、「すべての子どもと若者が居場所と出番を感じやすい地域づくりと社会づくり」。

そのためには、不登校支援、引きこもり支援、就労支援など、様々な仕組みや機関だけでなく、岩見さんのように当事者の子どもと若者とつながりつづけ、見守り応援しつづけてくれる「人」の存在が大切だと感じました。それらの仕組みや機関が最大限に活用されるためにも。


結局、この日は終了時刻近くになっても誰も参加者は現れませんでした。でも、岩見さんのLINEに参加者の子から一報が入りました。「いま、起きた、って。(苦笑)」。「今からだと間に合わないなぁ。また、次回に。」とその子に返す岩見さん。

実際に足を運べなくても、こうして行ける先があること、言葉が交わす先があること。それもまた一つの”居場所”の形だと感じました。


集い場「虹」は、まだ始まったばかり。でもきっと、「ふらっとRitto」のように、多くの子どもと若者に必要とされ、そして、社会的な支えも得る事業になっていくのではないかと思います。


取材日:2024年1月12日


























閲覧数:37回0件のコメント
bottom of page