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執筆者の写真代表 しがNPOセンター

新しい社会像を提示できるか


2021年の新春を迎えました。今年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。


        しがNPOセンター

                     代表理事 阿部 圭宏


 2020年の年頭コラムでは、「ガラパゴス化する日本をどうするか」というタイトルで

「日本経済の行く末」「政治の劣化」「気候変動に対するコミットメント」「男女格差」という4つのテーマを取り上げ、日本の現状を憂えたが、新型コロナ感染症の蔓延により、より一層心配は増した。


 管政権のコロナ対応は前政権以上に酷い状況になっている。このままでは人の命を守るという政府の基本的な機能も果たせないということになってしまう。冬に爆発する可能性が高いとされていたのに、GoToトラベルを優先させて、有効な対応策を示せなかったことで、まだまだ感染が拡大していくことが懸念される。


新春の琵琶湖(筆者撮影)



 コロナの影響は、特に立場の弱い人に大きくのしかかっている。高齢者や基礎疾患のある人はコロナに感染して重篤化の危険性があるので、感染拡大はその生死に関わる重大事項であるが、コロナの影響で職を失った人にとっても死活問題である。雇い止めや解雇された人は7万7千人を超え(2020年12月18日現在)、ずっと増え続けている。女性雇用者では非正規雇用が多いため雇用への影響が大きく、失業者の約7割が女性だという。自殺者数はコロナの影響で増えているが、特に女性の自殺者が増え続けている。在宅ワークの影響もあって、DV相談も増加している。



 こうした諸問題に対応するために、社会を一から変える仕組みができないかと思う。


 1つ目は、女性が社会の中心に位置付けられるようにすることである。政治家、官僚、企業経営者、地域の役員など、社会を動かす力が圧倒的に男性に偏っている現状からすれば、そこを変革するのは至難の技かもしれない。しかし、女性の地位向上を図らないと、ますます沈没するのを待つしかないと思う。まずは、国会議員や地方議員に占める女性比率を増やすために、候補者割合を決めるクオーター制を導入することを提案したい。


 2つ目が、資本主義に変わるシステムである。ひたすら成長を求め続け、利益を最大化しようとする資本主義は、地球環境を破壊し、途上国を搾取し続け、貧富の格差を拡大する。お互いを助け合える資本主義に代わるシステムはできるのだろうか。メルカリ、ジモティー(どちらもネットのフリマアプリのことで、一般消費者でも業者でも直接で売り買いできるしくみ)、カーシェアリングなども、今の使い捨て文化に対するアンチテーゼのような気もするし、若者の地方回帰など、可能性は十分ある。コロナを転機にこれからの社会を一人一人がデザインできればと思う。

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