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  • 執筆者の写真代表 しがNPOセンター

この国はどこへ向かおうとしているのか

2023年の新春を迎えました。今年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。


           しがNPOセンター

                     代表理事 阿部 圭宏 



 新年早々であるが、今の政府を見ていると、この国は大丈夫かと思ってしまう。防衛政策の転換、原発復権、マイナンバーカードのひもづけの3つに絞って考えてみたい。


 まず、防衛政策の転換である。


 昨年は、コロナの影響が収まらないまま、2月にはロシアがウクライナに侵攻するなど、世界を震撼させることが起こった。予期しない戦争に加え、北朝鮮のミサイル発射、中台の緊張などを背景に、岸田政権はここぞとばかり、防衛予算の増額を打ち出した。


 憲法を基本に、専守防衛を堅持してきたこの国は、安保法制の強行により集団的自衛権行使を容認したことで、防衛という名のもとに行われる軍備拡大に歯止めが効かなるなるのではという危惧が現実味を帯びてきた。


 自民党安全保障調査会が昨年4月に取りまとめた「新たな国家安全保障戦略等の策定に、向けた提言」では、敵基地能力を反撃能力を言い換え、防衛費のG D P2%を求めている。また、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議の報告書では、敵基地攻撃能力を不可欠だとし、防衛力の強化をうたい、そのための財源確保として国民負担をあげている。


 こうした流れを受け、政府はいわゆる防衛3文書の改定を閣議決定した。これは岸田首相自身が「戦後の日本の安全保障政策の大きな転換」であると語っているように、防衛政策を一から変えようとするものだ。防衛政策の転換という国論を二分するような話を説明ないまま閣議決定という形で強行したことに対して国民の反応は鈍い。


 朝日新聞の世論調査では、防衛費を5年間で43兆円とすることに関しては、賛否が拮抗するものの反対が多いのに対し、敵基地攻撃能力を持つことへの賛成は56%と驚くような数字になっている。


 どのような武器を買うのか、トマホークのようなものが果たして抑止力になるのか、防衛費を増額する負の影響を考えているのか、アメリカ一辺倒でない外交政策をどのように築くか、など、本来考えるべきことがなされていない。防衛費の増加は、子ども政策や社会的な課題に対応する予算への圧迫にもなることは確実だ。





 次に原発復権である。


 政府のおかしさは、エネルギー政策にも現れている。ウクライナ戦争による原油価格の高騰を促進力にしようとしているのかもしれない。防衛費の次に出てきたのが原発の復権である。再稼働の加速、古い原発の運転延長、新型炉への建て替えを柱とする基本方針を決めた。福島第一原発事故の廃炉もまだできていない状況であるし、自民党政権でも「原発依存度を低減する」「新増設、建て替えは想定していない」というこれまでの抑制的な姿勢を捨て去るような暴挙である。


 核廃棄物処理方法がない、日本は災害が多い、福島のような事故が起こってしまうと取り返しがつかないなど、原発を推進しようとすればするほど、リスクを抱えてしまう。


 最近の経済産業省のテレビC Mでは、福島第一原発で出た汚染水をA L P S処理して海洋放出することをいかにも安全だと喧伝している。まさに事故をなかったかのように隠蔽しようとする態度にも見える。


 最後がマイナンバーカードと健康保険証のひもづけである。


 マイナポイントの付与は昨年12月末で終了予定であったが、この2月末までの期間延長となった。ポイントがもらえるからといって国民全員がカードを作るわけではない。昨年11月27日時点での申請率は60.1%であり、マイナポイント付与を延長したからといってこのまま交付申請が上がり続ける保証はない。


 飴の政策をとるだけでは普及が難しいと思ったのか、ついにムチの政策も使うようだ。報道によると、従来の健康保険証での受診料を今年4月から12月末まで特例的に値上げする方針を固めたという。窓口負担3割の場合、初診と再診時に現行よりそれぞれ6円上乗せするもので、マイナ保険証は据え置く。


 そもそもマイナンバーカードが普及しないのは、政府に対する信頼度が薄いからだ。以前に個人情報が流出したことへの不信感にも誠実に対応せず、飴だけしゃぶらせておけば、ちょろいもんだという姿勢が腹立たしい。


 その他にも、政府に言いたいことはたくさんある。国や自治体に頼らなくても、自分たちでできることはするが、国民を大切にしない政府はうんざりだ。国民は舐められている。

国民のための政治が行われるようにもっと声を上げよう。




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