円安と長期金利高にどう向き合えばよいか
- 代表 しがNPOセンター
- 8月1日
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しがNPOセンター
代表理事 阿部 圭宏

このコラムでも何度か円安と長期金利の上昇が日本経済を蝕んでいることに触れてきたが、海外旅行に行かなかったり、借金をしていなかったりすると、こうした円安や長期金利の上昇の影響は分からないかもしれない。ただ、確実にいろんな物の値段が上がって、物価高が進んでいることは誰でも実感できる。特に、スーパー、コンビニなどで買い物をする人は、食料品の値段が爆上がりしていることに当然気付いているはずだ。

7月24日に公表された2026年6月の消費者物価指数(2020年基準)によると、2000年を100とすると、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数は113.1と、前年比1.6%上昇した。この数字だけ見ると、上がっているのはそれだけかと思うかもしれないが、生鮮食品を除く食料品に限って見ると3.1%上昇し、129.3である。ガソリンの暫定税率廃止、ガソリン補助金、電気・ガス補助金など、無理筋とも思えるような補助金を出すことで、少し全体の上昇率を下げている面はあるものの、全体として物価は上がっていて、人々の生活を圧迫していることは明らかである。
アベノミクスによるゼロ金利政策によって円安が進み、輸出企業は大きな利益を上げた。それまでは1980年のプラザ合意以降、円は急激に上がり、金融緩和がバブルを引き起こし、その後の失われた30年と言われる事態となった。2011年10月には1ドル75.32円という未曾有の円高を記録している。確かに急激な円高は企業業績を圧迫したが、円高は国力を示しているので、この円高に企業がどう立ち向かうかが問われていたと思う。

アベノミクスによる円安誘導は企業を甘やかせたと言えるのではないか。150円を超えた時点でヤバいと思った人は多いだろう。その上をいく1ドル163円とかいうと、経済学をかじった人ならとんでもないことが起こっていると分かるだろう。ピーク時の半分以下の価値しか円にない。
日本銀行が重い腰を上げて6月の金融政策決定会合で0.25%の追加利上げを決定し、政策金利を1.0%に引き上げたが、7月には企業活動や家計への影響を慎重に見極めるため金利水準を据え置いた。市場では、日本銀行の動きの鈍さに加え、政権の赤字国債も辞さない積極財政姿勢を骨太方針で示したことが円安に拍車をかけている。この構造はトルコに似ているとのことだ。首相のブレーンや側近には、普通の経済学が分かる人がいないかのようである。

ワールドカップを見ていて、公式スポンサーに日本企業は一つもなく、中国のハイセンス、レノボなどが名を連ねていた。中国のA Iはアメリカに迫っていて、それを抜くとか、I T、電気自動車でも先端を走っている。資源を輸入に頼る日本では、これまで技術力だけが頼りだったが、技術開発の面でももはや先進と言えなくなると、これからどうすればよいのか分からなくなる。
少子化にどう対応するのかと同じで、長期目標を持って地道にやるべきことをやっていくしかないだろう。




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